乗鞍岳雪崩事故現場調査
2010年 02月 28日
位ヶ原の斜面にて雪崩事故がありました・・・。 いつも乗鞍岳バックカントリーで
滑っている僕たちも人ごとでは無いので、お店の定休日に雪崩事故の現場の、
雪の積層を調査しに行きました。
ジャケットを着ていると暑くて汗をかいてしまうほどでした。乗鞍岳も穏やかで綺麗でした。
今年は穂高方面の方も、雪が少ないように見えますが・・・・。いつもなら、ここから
乗鞍岳に向かって登って行くのですが、今日は調査が目的なので、位ヶ原山荘を
目指して行きます・・・。
これは雪崩の現場の最上部の「破断面」で、この段から下が崩れて雪崩になった
という事になります。 破断した雪の深さは約45~50cmぐらいでしょうか?!
深い所で80cmもあった!という報告をしているところもあります・・・・。かなりの
大規模な雪崩だったようです。
とても大規模で、実際この現場を見たら、僕達は雪崩事故の恐怖を感じずには
いられませんでした。 斜面の一番上の黒い横線が、上記の「破断面」です。
あそこから斜面全体が崩れていました!スゴく広範囲で雪崩ていて、僕たちは
これまでには、こんなに大きな雪崩を乗鞍岳周辺では、見たことがありません!・・・。
こんな大きな雪崩に巻き込まれたら、やはりスキーヤーなんてひとたまりもありません。
みんな、ただ「スゴいな・・・・」というだけで、言葉が思いつきませんでした。
雪の積層を見て、どこから崩れたのか?、なぜ崩れたのか?、雪質はどうだったのか??
などなどチェックしていきました・・・・。
上40cmぐらいのとても柔らかい新雪の下には、2月の雨がカチカチに凍りついた
アイスバーンがあり、そのアイスバーンの面で雪崩たという事が容易に分かります。
そして、「ピットチェック」の中で上に積もった新雪にほんのちょっとでもチカラを加えると
すぐに崩れてしまい、非常に雪崩の危険性の高い状態である事が分かりました・・・・・。
依然、非常に危険度が高い雪の状態であったので、途中で止まっての撮影は無しなので
スキー滑走の画像は全くありません・・・・。 一緒に行ったAK 君の歩く画像のみです。
今回の事故調査を締めくくりました。本当にお世話になり、どうもありがとうございました。
美味しいコーヒーもごちそうさまでした。
乗鞍岳の山々は心に沁みるぐらい美しかったです!!・・・・・。
またこの経験を生かして、事故のないように安全に山スキーを
楽しんでいかなければ・・・と思いました。
この雪崩事故当時の雪の状況について、詳しくお知りになりたい方は、
日本雪崩ネットワークのHPをご覧下さい。
by springbk | 2010-02-28 11:01 | 山の風景